私たちの暮らしの中で、スマートフォンやノートパソコン、タブレット、モバイルバッテリーなどの電子機器はもはや欠かせない存在です。
これらの多くに搭載されているのが「リチウムイオン電池」。
この電池は、小型でありながら大きなエネルギーを蓄えることができ、充電して繰り返し使える点が大きな特徴です。
近年では電動自転車やコードレス掃除機、さらには電気自動車にも広く使われるようになり、ますます身近な存在になっています。
ただし、高性能であるがゆえに、使い方を誤ると思わぬトラブルにつながる可能性があることも知られています。
「モバイルバッテリーから煙が出た」「充電中に熱を持って心配になった」など、ニュースやSNSでもたびたび話題になることがありますよね。
そこで本記事では、専門的な解説ではなく、あくまで日常生活の中で意識できる範囲で、リチウムイオン電池を安全に使うためのポイントをご紹介します。
リチウムイオン電池の特徴と仕組み

リチウムイオン電池は、正極と負極の間でリチウムイオンが移動することによって電力を生み出す電池です。
高性能なエネルギー源としての特徴
この仕組みにより、
- 何度でも繰り返し充電できる
- 他の電池に比べてエネルギー密度が高い
- 小型でも大容量を実現できる
といったメリットがあります。
そのため、スマートフォンやノートパソコン、EV(電気自動車)などの分野でも幅広く採用されています。
高性能ゆえの注意点
非常にエネルギー密度が高い分、扱い方を誤ると異常発熱や劣化が進みやすいとされています。
そのため、一般ユーザーであっても、基本的な取り扱いの注意点を理解しておくことが重要です。
リチウムイオン電池で事故が起きる理由
あくまで一般的に言われている範囲では、以下のような条件が事故につながる可能性があるとされています:
衝撃や変形による内部損傷
落下や強い圧力を加えた場合、電池内部の仕切りが損傷し、ショートや過熱の原因になることがあります。
過充電や過放電のリスク
長時間の充電や、過放電状態での放置は、電池の寿命を縮めるだけでなく、異常発熱の原因になることもあるとされています。
高温多湿な環境
直射日光が当たる場所や、夏場の車内など高温になる環境での放置は避けるべきとされています。
バッテリーの劣化や膨張につながるおそれがあるからです。
非純正の充電器やバッテリーの使用
正規メーカー以外の充電器やバッテリーを使用した場合、電圧や電流が適合せず、思わぬトラブルの原因になることもあるといわれています。
家庭でできる安全な使い方のポイント
以下は、メーカーや家電関連の安全啓発資料などで紹介されている、日常生活で意識したいポイントです。
充電環境を整える
- 寝ている間の充電はできるだけ避ける
- 周囲に可燃物がない場所で充電する
- 熱がこもる布団の中や袋の中で充電しない
製品の状態を定期的にチェック
- バッテリーが膨らんでいないか
- 異常に熱くなっていないか
- ケースや端子に傷や汚れがないか
ちょっとした違和感を見逃さず、必要であれば使用を中止する判断も大切です。
安心できる製品選びを心がける
- 純正品やPSEマーク付きなど、安全基準を満たした製品を選ぶ
- 価格が極端に安い商品には注意が必要です
よくある疑問Q&A
使っていないときも危ないの?
長期間放置した場合、自然放電や劣化が進むことがあります。
使用しないときは満充電や空の状態を避け、涼しく乾燥した場所で保管するのが一般的に良いとされています。
スマホをポケットに入れておいて爆発することは?
非常にまれですが、強い圧力が加わったり、高温環境が続くとリスクが高まる可能性も。
ポケットに入れて激しい運動をするような場合は注意が必要です。
100円ショップの充電器は危険?
すべてが危険というわけではありませんが、規格が不明確な製品もあり、充電電圧が適合していない場合はトラブルの原因になる可能性があります。
実際に聞かれるエピソード
SNSやネット記事などでは、「モバイルバッテリーがポケットの中で発煙した」「車内に放置していたら膨張していた」といったエピソードも見られます。
よくあるシーンから学ぶ
- 高温になる車内に置いたまま放置
- 衝撃の加わりやすいポケットやカバンに入れた状態での使用
- 適合しない充電器を使っていた
こうした事例はごく一部であり、あくまで例外ではありますが、「念のため気をつけておきたいこと」として意識しておくと安心です。
まとめ
リチウムイオン電池はとても便利で、現代の生活に欠かせない電源の一つです。
発火などのリスクはゼロではないものの、使用方法や保管のしかたを少し意識するだけで、安心して使うことができる製品です。
メーカーの取扱説明書や公的な安全情報を参考にしながら、身近なアイテムとして正しく付き合っていきましょう。